2013年2月の記事一覧

2013年2月24日

リトルバスターズ!アニメ版OPの光の解説と、二人の成長について

リトルバスターズ!のアニメも随分話数が進んでいますが、今回はOPについてです。

アニメ版のリトルバスターズ!のOPですが、やたらと光(ハイライト)が眩しいです。
ここまで眩しいOPも中々無いんじゃないかと思います。
ゲーム原作の方も入射光とか、恭介の背景が白飛びしてましたが、アニメ版はそれをより強調したものになっていますね。
もちろん、この明るさは光の玉からくるものですが、前半ではその辺りを確認してみようと思います。

それから後半では鈴と理樹の成長についても確認してみようと思います。
たかだかOPではありますが、OPの中に本編に関わる重要な示唆を含ませてますから気を抜けませんね。
書いているうちに随分長くなってしまいました。短くまとめる力無し。


少々長くなってしまいましたので、結論から書くと、
やたら眩しいOPはリトバスの核心たる光の玉を表現し、
オープニングが切り替わった14話と15話を比較すると、鈴と理樹の成長を見ることが出来る事から、アニメでも既に何週目かのループに突入している。
という事になります。




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図1.眩しい棗恭介

この眩しい恭介の直前、鈴と理樹が左向き、真人と謙吾が右向きで登場しますが、
これは、道を進もうとする理樹と鈴(画面の右側が上手になるので、キャラがインするのは基本的に右からになります)と、それを阻む(待ち受ける)真人と謙吾という図式でしょう。
リトバスのテーマの一つである、鈴と理樹の成長と、それを見守る周辺キャラを示唆します。
恭介はそこから、ある意味で超越しているという意味での図1ですね。

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図2.鳥

これは原作のOPにも度々登場している鳥です。
このカットも一瞬画面全体が真っ白になるぐらい眩しくなります。

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図3.光が回っているキャラ紹介

ここからキャラ紹介に入りますが、全体的にとても明るいです。
背景が白飛びしている場合もありますし、そうでなくても入射光などが入り、十分すぎるほど明るいですね。
通常、白飛びした絵というのは、写真の世界では露出オーバーの失敗写真になります。
ですから現像する際に、白飛びせず(RGBが全て255に飽和せず)黒ツブレしない(RGBが全て0にならない)ように絵を作ります。
特別な意図が無い限りはこれが基本になりますから、
ここで敢えて、眩しいぐらいに明るくしているのはもちろん、特別な意図があるからです。

それから、キャラに影がついていて、背景がハリボテの様に見えるのは、恐らく原作の太い主線を意識したものだと思われます。

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図4.やや暗めの来ヶ谷唯湖

ここで、唯湖だけやや暗めの絵となります。図3の小毬と見比べると分かりやすいです。
エレクトーンにスポットライトが当たっているように見えますが、よく見るとスポットライトでは無く、窓からの光です。しかし、窓からの光であればこれだけ極端に明暗が分かれません。
同じ室内でも、葉留佳との明るさが随分と違いますし、ここでは、唯湖のこの世界に対する葛藤を影として表現したと見るのが自然ですね。

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図5.黒と白

これも極端。
白飛びした校舎と、黒潰れ気味の木。
言うまでもなく、木は美魚シナリオにおいて重要な役割を持ちますし、光と影の狭間にキャラを立たせる事で、このカットで美魚というキャラを説明しています。

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図6、7.笹瀬川 佐々美、二木 佳奈多、あーちゃん先輩

ここでNPC3人のの登場ですが、明らかに明るさは落としています。
ゲーム原作だけでは確定できなかった事柄も、このシーンに答えがあるのですね。
ところで、このシーンの佐々美ちゃんのかわいさはアニメの中でも群を抜いています。だれかGIFアニメを。

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図8.白い背景

これでもかと言わんばかりに白いです。

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図9、10.太陽のようなもの

理樹が手を伸ばす先には光り輝く太陽のようなもの。これは光の玉だろうと思いますが、
このカットは、それよりも歌詞が非常に重要になります。

「高く飛べ 高く空へ 高く蹴れ 高く声を上げ」

このカットは後でまた出てきますので、ここではこの歌詞だけ強調しておきます。

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図11.ナルコレプシー

ここも歌詞と連動してますね。

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図12.対峙

ここで再び、やや不自然なカットです。
ぱっと見るとピッチャーの鈴と、バッターの理樹という風にも見えますが、
よく見ると鈴も理樹も画面奥を見ています。
画面奥でこちらを見ているのは、リトルバスターズ!の他のメンバーでしょう。
そして奥から射す光。

ここも歌詞連動で、(図11)いつか挫けてしまった、(図12)その日の向こうへ行くための鈴と理樹の様子であり、それを見守るその他のメンバーを表現しています。
ここもまた、後で出てくるので覚えておいて下さい。

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図13、14、15、16.光の玉

あまり書くこともありませんが、再度しっかりと光を強調しているのと、
ここで光の玉の描写が入ります。親切ですね。

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図17.夜明け

夜明けの光です。




さて、ここまでが14話までのOPでした。
15話でOPが若干変更となりましたので、まずは、光に関連する箇所を確認します。

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図18、19、20.キャラの変更

クドリャフカと葉留佳、佳奈多のカットです。
登場キャラ全員が非常に暗い中にいますが、これは彼女らが抱えているものであり、
これから始まるシナリオを示唆しています。

ただし、クドと葉留佳については光が当たっていますが、これと比べて佳奈多は真っ暗です。
もちろん、このカットが女性の裸だというのもありますが、佐々美らと同様に、この世界での立ち位置を示していると見るべきでしょう。


続いては前半でいくつか説明を保留していた、本編に関する重要な示唆が含まれる部分について確認します。


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図21.鈴と理樹

図12.対峙では、鈴と理樹が他のメンバーと対峙しているカットでしたが、OPの変更ではそのカットが無くなり、このカットが挿入されました。
内容は、鈴が豪速球を投げて理樹が受け取り、それを真人が空振りしてしまうというもの。

つまり、OP変更前と変更後で鈴が明らかに成長しています。
ゲーム原作では、ループされる世界を周回する中で、野球がどんどん強くなって行きましたが、
アニメではOPでそれを示しているという事です。


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図22.太陽のようなもの


ここが、よく出来てるなーと思わず唸ってしまった箇所ですが、
OP切り替え後は、このカットが後ろ倒しとなり、それにより
このカットが出ている時の歌詞が、OP切り替わる前後で全く別の意味になっています。

切り替わる前までは
「高く飛べ 高く空へ 高く蹴れ 高く声を上げ」
でした

15話からは
「きみの声忘れない 涙も忘れない これから始まる」
となっています。

つまり、切り替わる前は「鈴と理樹の、この世界からの飛躍」をバックにこの光の玉を掴もうとするカットが挿入されるのに対し、切り替わり後では「この世界からの決別」をしながら光を掴もうとしているのです。

最初見た時に、この理樹の表情が何とも言えず、またこのカットの意味も分からなかったのですが、前後両方兼ねていたからだったのですね。


何気ないOPの中で、歌詞を利用してカット位置をずらす事で別の意味に変えてしまう手法は、非常に面白いと思いました。
それでは。

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