劇場版AIR、CLANNADの監督は出崎監督ですが、観た人は感じたと思いますけど、かなり演出にクセがあります。現在、劇場版AIRは無料で視聴できるので、AIRを観なおして「出崎演出」を調べてみました。
注:私は映画評論家でも何でもないただの鍵っ子なので、以下の見解は多分に憶測などが含まれます。観る人によって印象は変わるでしょうし、鵜呑みにしないようにしてください。
ハーモニー
劇画チックな止め絵が時々入りますが、これをハーモニーと呼びます。AIRはかなりの回数が(特に後半)出てきましたが、CLANNADでは回数はかなり減っていたと思います。私はこれが入るとその週のアニメは終了で、次回予告が始まるっていうイメージがあります。場面の切り替えに便利そうですが、出崎監督はかなり多用しているようですね。
そうそう、観鈴ちんがゴールした瞬間にも使われてますが、「あしたのジョー」で、ジョーが燃え尽きたシーンと被りすぎですよね?
画面分割
これはCLANNADでも頻繁に出てきました。
スクリーンが大きい劇場版ならではの演出かもしれません。「画面が真っ黒で音声のみ」という演出もたまに出てきます。これも劇場版を前提にした演出でしょう。
ちなみに、AIRでは2分割どころか、3分割、6分割までいきます。
光
CLANNADははっきりと覚えていませんが、AIRはこの光が凄いです。夏を意識した演出なのでしょうけど、キャラクターが外出するとほぼ常に光ってます。なんか眩しいです。
ハイコントラスト
これも上の光と似ていますが、微妙に違って、白が飛ぶくらい強くコントラストを調整します。綺麗に見えるので、過去の美しい回想シーンとかに良く使われますが、あんまり使いすぎても効果が薄れてしまうそうです。ちなみに劇場版AIRはかなりハイコン使ってます。
オーラ
みたまんまです。オーラを纏ってますね。
CLANNADでもキャラクターがオーラを発する場面がありましたが、これにどんな効果があるのか良く分かりません。というか、AIRにしてもCLANNADにしてもオーラを発しなきゃいけない場面は無いはずですが。キャラの強い思いを表現しているのでしょうか。
3回スクロール
多いですね~これ。
CLANNADでは、キャラの足元からスクロールしてバストアップまでもっていくカメラワークもかなり多かった記憶があります。3回スクロールは、CLANNADでは後半に入ってからは出てこなかったかな。
CLANNADでは、バトルものも前半に持ってきてましたけど、これもAIRで学んだ結果でしょうか。
以上が技術面での演出になります。
AIRを観なおして感じたのは、かなり光が眩しい事。
ハイコンにしても陽射しにしてもそうですが、常に眩しいシーンが多かったです。劇場で観たときはあまり感じなったので、パソコンのモニタが視聴に向いてないだけかもしれませんけど。
全体的には、「劇場で観る事」を前提に作られた演出が多いと思ったのと、やっぱりどこか古臭い演出だという事。この演出が好きな人も居るのでしょうけど、今の若者に対してウケるかというと、微妙かもしれませんね。
次は出崎監督の演出イメージについて考えます。
以下は劇場版AIRのワンシーンで、これらの演出について私なりに考えたのですが、出崎監督は人間の心情の変化を何とかして映像化しようとしているように思えます。
その為には、多少無理があったり、非現実的でも無理やりやります。
その例が、「後ろで波がザバーン」だったり、「近いと思ったら遠かった」といった演出です。
これらに限らず、AIRのクライマックスシーンは色々と(現実的に考えたら)異常な事態が発生してます。
例えば後ろで異様な高波が迫ってきてたり、そもそも、海と浜の位置関係がコロコロ変わったり、あるはずのものが無かったり、無いはずのものがあったり。
これについて、批判めいた事を言おうと思えばいくらでも言えるのですが、これに突っ込むのは野暮というものでしょう。ただ、「古臭い演出」だとは思いますけど、それが良いのか悪いのかは分かりません。
評論家に聞けば答えてくれるかもしれませんが。
鬼
問題の鬼です。
まあ確かによく分かりませんでしたけど、観鈴に降りかかる不幸を具現化しようと考えた時、思いついたのが鬼だったのかもしれません。私達は「出崎解釈」と呼んでるのですが、これはこれで(分かりやすい負のイメージという意味で)悪くは無いアイデアだったと思うのですが、少々でしゃばりすぎたのかな。
喧嘩みこし
これも良く分からない筆頭の喧嘩御輿です。
なぜ海でやってるのか(多分凄く体力を消耗する)
なぜ喧嘩御輿なのか、この演出の意味は何なのか、などなど、わからない事だらけです。
後ろで波がザバーン
晴子が「ゴール」の意味を理解した瞬間。
この瞬間の晴子の心情を出崎解釈で表すとこうだったのでしょう。
非常に分かりやすいですね。
近いと思ったら遠かった
この二枚は連続したシーンなのですが、晴子が観鈴の至近距離で語っていると思ったら、次の瞬間には2人の距離は遠くはなれます。カメラワークによっては可能かもしれませんが…。
他にも、キャラクターの心情を映像化したと思われるシーンはかなり多くあります。
今なら劇場版AIRは無料で視聴できるので、色々探してみると面白いかもしれません。
ただし、公開は期間限定のようなので早めにどうぞ。
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